バッハ
disc1
①無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV.1007
②無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調BWV.1010
③無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV.1011
disc2
④無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BWV.1008
⑤無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV.10090
⑥無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV.1012

ピエール・フルニエ(チェロ)
録音:1976年〜1977年スイス

フルニエのバッハ無伴奏は1960年録音のアルヒーフ盤が代表盤として有名で入手もしやすいですが、この再録音盤も是非聴いていただきたい演奏です、個人的にはこの再録音盤の方が彫りが深くより思索的だと思います。最近では滅多に見かけなくなった希少盤です。

音楽評論家：藁科雅美氏（ライナーノーツより）
「チェロのプリンス」と呼ばれたフルニエの高い教養に裏打ちされた端麗でノーブルな演奏は、いまもってチェロの貴公子との尊称にいささかの違和感も感じさせない。しかもフルニエの芸術は、齢とともに、いよいよ円熟と洗練の度を深めて、その内に秘めた激しい情熱も薄れることはない。戦前から多くのレコードを作ってきたフルニエが、まったく久びさに録音した、近年の彼の芸術を伝える貴重なLPである。しかも演奏曲目は、フルニエの最重要なレパートリーの一つであり、日本でもそのナマ演奏とこれよりずっと以前の録音である同曲のレコードによって最高の評価を得ているバッハの「無伴奏チェロ組曲」なのである。よい音楽、よい演奏を求めるすべての好楽家への最上の贈物にちがいない。フルニエは9歳のとき、小児マヒにかかって、右足の自由を失った。そのためピアノからチェロに転向し、身体の障害を克服して大成をかちとった苦闘の天才でもある。しかし、松葉杖を片手にステージに現れるフルニエの動作の、なんとエレガントで高貴であることか、またその演奏のなんと明るくさわやかであることか！意志の力によって苦悩を封じ込め、洗練された感覚によってバッハを明るくキメ細かく再現するフルニエなのである。

国内盤、帯無し、盤面傷無し
disc1解説書爪噛み痕あり
30CD-3027、30CD-3028

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